農業共済新聞に掲載されました。
以下の内容で掲載していただきました!
町を挙げて米どころPR
漢方で特産米に
【浅川】稲作に力を入れている浅川町では、「コシヒカリ」の付加価値を高めて特産化しようと、植物成分が原料の「漢方農材」を使用した栽培に取り組んでいる。初めての栽培となる今年は、認定農業者やエコファーマーが中心となって作付けた。町の知名度アップも兼ね、ブランド米の確立に期待が高まっている。
浅川町ではこれまでも、農業振興に意欲的な須藤一夫町長をはじめ、行政と担い手農家らが、良質でおいしい浅川の米を特産品にできないものかと、模索・検討してきた。
そんな中、JAあぶくま石川と取引のある、JAあいち経済連から紹介されたのが、漢方農材だ。町とJAあぶくま石川では、今年2月初旬の説明会で生産者の同意を得て、3月中旬には栽培研修会で使用方法などを説明。37人の生産者が、合計38ヘクタールで栽培に着手した。
漢方農材とは、漢方(薬)に用いられる植物成分を原料に作られた農業用資材。カンゾウ、ダイオウ、トウキ、ナツメなどの生薬を使用している。漢方農材には、作物の生育促進効果に加え、土壌病原菌や害虫の忌避効果も期待でき、低農薬栽培が容易になるメリットがある。天然の植物由来のため、化学合成農薬と違い人や動物への影響が少なく、環境への負担も少ないという。浅川町で使用する漢方農材は、株式会社オキ(本社=広島県)が製造しているもので、JAが販売窓口となり、営農指導も併せて行う。
農材のタイプは顆粒と液状の2種類で、共に育苗箱で用いる。顆粒タイプの場合は、育苗期と田植え直前の2回施用。液状タイプは育苗期に2回散布し、田植え前には顆粒を施用する。10アール当たりの費用は2千円程度だ。
栽培に取り組む認定農業者で、エコファーマーでもある岡部俊雄さん(58)は、「今のところ生育は良好です。一般栽培の稲と比較して、稲体ががっしりして根張りの良さがわかります。収穫も期待できそうで、良い結果が出れば、トマト栽培にも使用を考えたい」と話す。
町農政商工課では、「花火の里あさかわ『漢方栽培米』」(仮称)として、販売促進、PR事業に力を注ぎたいとしている。