元気で美味しいアスパラガスの秘密! -アレロパシーを知って障害を防ごう-
原産地である南ヨーロッパでは紀元前から食用にされていたと言うアスパラガス。日本で食用に栽培され始めたのは明治時代。冷涼な気候を好むことから北海道開拓に伴って導入されました。
初春から芽を出すアスパラガスは、ニンニクや、ニラと同じユリ科に分類されますが、同じユリ科でも他の野菜と違うのは、地下茎が残ってタケノコのように毎年、若芽が出る多年生植物だというところ。
苗を植え付けてすぐには収穫できず、まず、2~3年かけて株を育ててから収穫が始まります。けれど同じ株からおよそ10~15年も収穫できてしまうと言う、ちょっと特殊な植物なのです。
アスパラガスは栄養的にも魅力的!
野菜としては豊富なタンパク質を含み、グリーンアスパラガスはビタミンや葉酸といった栄養素の他に、アミノ酸の一種であるアスパラギン酸が豊富です。
このアスパラギン酸は疲労回復に効果がある上、毒性を持つアンモニアを体外へ排出する働きがあって、しかも過剰摂取の問題がほとんどないという、とっても優秀で安全な成分です。
食材としても、サラダ、天ぷら、炒め物など、どんな料理とも相性が良いアスパラガスは、しっかりとりたい野菜の一つですね。
アスパラガスが持つアレロパシーってなに?
アレロパシーとは、植物が出す化学物質で、他の植物の成長を阻害したり促進したりする成分のことを言います。
このアレロパシー物質は、同じ場所に同じ作物や、同じ科目に属す植物の栽培を繰り返す事で、土壌中のアレロパシー濃度が高まり、結果的に自らの発芽を抑制したり、生育不全にさせてしまうのです。
アスパラガスは根からこのアレロパシー物質を分泌しています
何年もつくり続けるアスパラガスは自家中毒を起こしたり、病原菌を呼び込んだりすることになり、これが連作障害の一因でもあるわけです。
植え替えしなくても長年収穫し続けられるアスパラガスは、とっても経済的でカンタンと思ってしまいますが、こんな性質を知ってしっかりとケアしてあげないといけないデリケートな作物とも言えるのです。
アレロパシー濃度の高まった土の改良方法とは?
味と健康栽培にこだわる多くの生産者の方々が行っている土の改良方法とは、
まず栽培が続いた土の表面を薄く取り除き、「OKY-999」を均等に撒きます。その上に良質のたい肥をかぶせ、最後に表面に「Dr.放線菌」をたい肥マルチのように厚みをもたせて撒き、3つを層にします。
こうすることで、2つの資材の善玉微生物たちが豊かな根圏バランスを作り、アスパラガスのベッドをふかふかに整えることができるのです。
そして、立茎前に「Dr.放線菌」をもう一度撒くことで、立ち枯れ病などの原因となる菌をりん芽から遠ざけることができます。
化学性の材料を一切使わず、すべて天然材料で作られたアルム農材は、年を追うごとに土の持つパワーをアップさせてくれます。
まっすぐにぐんぐん伸びるアスパラガスのエネルギーを、そのまま長く元気に、そして美味しく育てたいですね。
【追記】ご質問をいただいただきました
ご質問をいただきましたので、掲載させていただきます!
ご質問内容
oky-999を撒く前に、栽培が続いた土の表面を薄く取り除くとありますが、これはどういう目的があるのでしょうか?
また、アレロパシーの分泌がアスパラの根からであるとの記述がありますが、改植時に土壌中に少々残ってしまうアスパラの根からもアレロパシーは分泌され、その後のアスパラの生育に悪影響を及ぼしてしまうのでしょうか?
ご返答
① アスパラの栽培土壌の表土を少し取り除く目的
これに関しては、改植等(植替え等)に関係なく栽培中にも必要な作業ですので、春芽前にはやった方がいいと思います。
茎枯病等の障害は地際から発生して来ます。地際は良い菌・悪い菌の温床でもあるわけです。
春先に表土を焼却消毒するのはそのためです。
この作業は、いわば危ない部分を除くという目的があります。
② アレロパシーの分泌の悪影響について
アレロパシー自体はどの様な作物でもあります。特定の物質の偏り、自毒作用等もそれにあたります。
嫌地(いやち)現象を軽減し、偏りや自毒作用への対応力(緩衝力)を土壌に持たせる様にすることが本来の土壌改良です。
改植中に残っている根から特定物質が分泌され、生育に悪影響があるかといえば全くないとは言えませんが、影響は非常に少ないと思います。
ご質問ありがとうございました!
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座右の名 : 水五則
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