簡単そうで奥深い「ミニトマト栽培」 ー 作物栽培も対処療法(栽培)から根本療法(栽培)へ ー
定番の夏野菜「トマト」 でも…
トマトの原産地は南米ペルーのアンデス高原。冷涼で昼夜の温度差が大きい乾燥地域です。
日本では春から夏にかけて作られる夏野菜の代表格トマトですが、高温多湿なこの時期は、実はトマトにとって苦手な気候なのです。ですから日本でおいしいトマトづくりを目指すプロ生産者の方々では、 “秋に定植し冬春に収穫”する施設(ハウス)栽培が盛んなのです。
そういう意味では日本でのトマトは、夏野菜ではなく冬野菜と言った方が良いのかもしれませんね。
食べ方も、サラダなどで夏にさっぱりと食べる印象ですが、最近は煮込んだり焼いたりと言った温かいトマト料理も一般的になり、楽しみ方も季節を問いません。
人気の高いミニトマト その進化形は?
今回ご紹介するのはとってもカラフルなミニトマトたち。
ミニトマトは大玉に比べて栄養価が高く、無農薬でも育てやすい強健なものが多く販売されています。
赤はリコピン、黄色はシス型リコピン、オレンジ色はニンジンと同じβカロテン、茶色はブルーベリーと同じアントシアニンを含んでいるなど、ビタミンカラーと呼ばれるように、色で分かる栄養素が豊富に含まれていて、いずれも活性酸素を押え、免疫力を上げてくれる健康物質がたっぷり含まれています。
そして、見た目にもカラフルで楽しく、食卓を華やかに飾って食欲をアップさせてくれます。
こんな良いことずくめのミニトマトですが、家庭菜園で楽しむ程度であれば簡単とも言えますが、品質の良いものを沢山収穫しなければならないプロ生産者の方々にとっては、かなり難易度の高い作物とも言えるのです。
栽培で大切なのは、まず土づくり。そして適切な肥料と、最も影響が大きいのが「水」の管理です。いずれも多すぎても少なすぎてもいけません。
そしてこれからの季節に課題となるのが、作物をどう保護するかということです。
例えば、トマトなどにこの時期よく出る「うどんこ病」は、下記のような原因で発生します。
これからの強敵「うどんこ病」への対策は?
病原はカビの一種(糸状菌)です。
原因① 窒素過剰とカリ不足のケース。
原因② 水はけや、風通しの悪い(密植、過密葉繁殖)圃場
原因③ 過湿、過乾燥、高温になると出やすい。
そして次の3つの対策が有効です。
対策① 肥料成分を確認して窒素過多にならないようにする。(土壌診断をしておくと安心です。)
対策② 土壌の物理性を改善(水持ち水はけを良くする)するためにDr.放線菌とOKY999を漉き込む。(良質の堆肥と併用)
対策③ 漢方生薬エキス配合のアルム凛を600~800倍(少し濃いめ)に希釈して、丁寧な葉面散布(できれば煙霧などの微粒子で)をして作物の保護機能を強化する。
初期であれば罹病葉を取り除き、上記の処置を行うことで自然治癒(進行を抑制)が可能です。
作物の健康を守るには、諸々の条件をトータルで対処することがとても大切です。農薬を撒けば治まるといった時代ではなくなって来ています。
トマト栽培は、これが上手くできれば一人前と言われるように、言わばプロの腕の見せ所といったところで、長年の努力や培われた栽培技術が確実に作物に反映していきます。
それをできる限り自然な資材でお手伝いするのが私たちアルム農材のミッションです。
自然のチカラを味方につける「これからの農業」を提案したい!
情報発信で農業を応援するナチュラルウーマン
座右の名 : 水五則
趣味 : 読書、写真、散歩